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2010年6月25日金曜日

ワルツ第1番 作品18 華麗なる大円舞曲 1833年作曲

ショパンの全作品の中で最も独創性に欠けている最たる1曲です。華やかな変ロ音のファンファーレに始まって、7つのメロディーが次々と出てきます。それぞれのつながりはいささか関係性が希薄です。とは言えショパンの作品ですから非凡な作品で、ショパンの全作品の中では平凡かなという程度。ピアノの詩人よりもショパン個人の顔がでてしまっているという感じで、着崩しの良さがポピュラーに親しみやすさを感じさせることに成功しています。

ショパンはパリに来てまでもウィンナ・ワルツ熱が相変わらずなことに閉口。音楽を聴く楽しみよりも踊るためにふさわしい曲が好まれる傾向にあった事への音楽での反目をしようとワルツを、位や、ワルツという名前の三拍子の舞曲を作曲して出版することにしたのではないでしょうか。

現在ショパンの「ワルツ集」と言えばCD1枚にまとめられて聴かれることの多い、全19曲が出版されています。が、ショパンが生前に出版したのは第1番から第8番までの8曲。第1番にだけショパンは「華麗なる大円舞曲 GRAND VALSE BRILLANTE」と題名をつけています。自筆譜にあるのは「VALSE BRILLANTE」で、出版の際に“GRAND”が加えられたとされています。

第2番、第3番に“華麗なる円舞曲”とタイトルが付いていることもあるので、区別するために“大”が加えられたのではないでしょうか。1834年にパリ、ライプチヒ、ロンドンで次々に出版されると大人気となったのも、ショパンが仕掛けた二面性が出版された“ワルツ集”の楽譜にあったからでしょう。舞踏会場で踊るための実用音楽に甘んじるでは無しに、演奏会で鑑賞する音楽に“ワルツ”をするぞと宣言するようなファンファーレは大成功することになるのです。

 

「大円舞曲」とあるように“ワルツ集”の中でも構成はシンプルな割りに演奏時間は長い曲で、ウェーバーの「舞踏への勧誘」を思わせます。曲の完成は1833年7月10日。浄書自筆譜はローラ・ホルスフォード( Laura Horsford )に献呈されました。彼女はショパンのピアノの弟子で、ジョージ・ホルスフォード将軍の娘です。但しこの時点では繰り返し演奏できるように指定されているだけのダ・カーポ形式で終結部分のコーダは作曲されていませんでした。そうだとすると、ただメロディーを並べただけのような構成力に欠けたところも理解できるように思います。

ショパンの『鑑賞するワルツ』は第3番から登場します。生前に出版された8曲のうち、第1番、2番、4番、5番の4曲が実用向きに作曲されています。

翌年の出版の際にコーダが加えられて『第1番』は現在の形になります。出版されたばかりの完全版は、ショパンが思いを寄せていたマリア・ヴォドジンスカに贈られました。

 

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