夏はバイロイト音楽祭。今夜、10時10分からBSプレミアムで「バイロイト音楽祭2011 ローエングリン」が生中継。インターネット配信も行われているけれども、今夜は日本からのネットからのアクセスはチケットがなかなか売れ行き悪いんじゃないかな。それともインターネットどっぷりの人はテレビを所有していない?
ロマンティック・オペラの幕開きとなった歌劇《ローエングリン》は中世の白鳥の騎士と暗黒の魔法使いのお話。ワーグナーが38歳の時の作品で、とある統計にある名曲は30歳代に創造される(山下達郎さんも何かのインタビューで引用されていました)。と云われるように後年の《指環》のような練り上げられたところは無いけれども気持ちの良いオペラで大好きです。
今年がアニヴァーサリーのリストが、この《ローエングリン》の上演にずいぶんと尽力したというのは知られたところ。この時ワーグナーはドレスデン革命に参加したかどで指名手配されていました。初演はヴァイマール。聞いていればあちらこちらに聞き覚えのある旋律が良く出てきます。白鳥の主題はチャイコフスキーのバレエ《白鳥の湖》で耳なじみの音階。ワーグナーが登用したのではなく、チャイコフスキーのバレエの方が後。チャイコフスキーはワーグナーの曲が好きだったようなので許せます。1871年には「おそらくワーグナーの手による最も成功した、かつ最も霊感に満ちた作品」とチャイコフスキーはしています。
第3幕には誰でも知っている「婚礼の合唱=結婚行進曲」がありますし、第1幕の前奏曲はクラシック音楽の中で一番に美しい音楽だとされます。弦楽器のさざ波の中に管楽器でそうされる聖杯のテーマが遠くからやってきて聞くものの周りを回って遠のいていく。1853年にワーグナー自身が書いた解説によれば、この前奏曲は、天使の群れによって運ばれてきた聖杯が、まばゆいばかりの高みから降臨してくる印象である。とし、1851年にリストが発表した論文には「虹色の雲に反射する紺碧の波」と書かれている。チャップリンの独裁者で、地球儀を球技のようにして戯れるシーンの音楽です。
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