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2010年8月18日水曜日

Deux Hommes Dans La Ville

暗黒街の二人・・・「わたしは法の正義を信じてきた。しかし、その裏側を見てしまった。・・・裁判は茶番劇なのか、既に審判はその前に決議しているのだ。・・・・フランスには未だにギロチンが2台ある。1つはパリに、もうひとつは地方を巡回している」

 

ジャン・ギャバンとアラン・ドロンが共演した最後の映画「暗黒街の二人 Deux Hommes Dans La Ville 」は、ジャン・ギャバンの最後の出演作品となりました。冒頭、ジャン・ギャバンのモノローグで始まります。今回の役柄はギャングの大ボスでもなく、囚人だったアラン・ドロン(ジノ)の保護司カズヌーブという役です。役柄もあるのかも知れないけれども、凄くくたびれた印象がします。

アラン・ドロンの映画で、ビッグガン、フリック・ストーリーと家族との愛情を描いた作品が増えていきますけど、「暗黒街の二人」でボール投げや登山、カヌーやピクニックといった野外で家族、恋人たちと過ごす映像が挿入されているのが印象的。陰惨なラストを和らげています。

「暗黒街の二人」というタイトルは印象的で、暗黒街のギャング映画のようなポスターも忘れられないけれども、作品自体は今日初めて観ています。と言うのか、見たことがあったとしても印象に残っているシーンはなくて今回初めてストーリーを理解したというところです。初めて観た時は中学生ぐらいだったはずで、内容の端々には母が時々話していた事柄と重なる部分も多いので、映画の流れにわたしが乗り切れないでいただけで母と一緒に見ていたのかも知れない。

母が話していたことは、一度手を染めたら足を洗うことは難しい、いや、させて貰えないという事。出所したアラン・ドロンに早速近寄ってきたのが以前の強盗仲間。アラン・ドロンを仲間に引き戻そうと執拗で、家族を失いアラン・ドロンも自動車事故を起こすことになります。その後すさんだ生活を送りますが、新しい恋人(ミムジー・ファーマー)が出来る。しかし、彼女が銀行員だというのでアラン・ドロンを逮捕した刑事(ミシェル・ブーケ)が執拗につけ回す。運悪く、国外から戻ってきたもとの仲間と会っているところを見られてしまう。仲間はアラン・ドロンが銀行を狙っていると思っている。悲しいものです。

警察や、裁判、死刑制度に対する社会はドラマと言われますけど、抒情性も感じられる映画です。本来の「Deux Hommes Dans La Ville」は、街の二人と訳すことが出来ます。日本公開の1973年には、アラン・ドロンとジャン・ギャバンが主演なのだからと「暗黒街の二人」とつけられたのでしょうけど今となっては別の邦題があったらと思います。でも、顧みられない映画ではないのは救いです。

音楽はフィリップ・サルド

撮影、ジャン=ジャック・タルベ

脚本・監督、ジョゼ・ジョヴァンニ

・・・・・・・・・・熊本では遠くから雷鳴が近づいています。映画が裁判のシーンになった頃から部屋が暗くなってきたので照明をつけました。風も次第に強まっています。

 

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