こばとからのお知らせ

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2013年1月27日日曜日

オジャ

料理はことわりをはかる。
土鍋一つでどんな料理もできる。出来ないのは油を使った揚げ物だけです。
それと、焼き魚は煙は出ても焼き網を火にかけるのが美味しいと思っているので、これだけは違うかな。
土鍋は世界中にある。金属の鍋なんてのは、文明が進んでからだからなぁ。
鯛を塩で固めて、それを火にくべたものは極上。恐らく、焼き芋のように焼けたものの中で美味しく食べられるものがあったのが発見だったのだろう。
縄文時代には、栗を栽培してこれを粉にしたりして食料としていたとか。ある時貯蔵していたものが焼けてしまって、焼き栗が出来たことが土鍋に発展していくんじゃないだろうか。

土鍋は長く使うと、料理も早くできるし美味しい出来上がりになる。肉や魚から出た味が土鍋の隙間に貯蔵されていくんですよね。扱いさえ気をつければずっと使える。
わたしの最初は、おかゆの作り方を教わったのが始まりだったと覚えています。それからずっといろんな料理に使ってきた土鍋があります。
おかゆといえば、スペインの土鍋は「オジャ」というそうです。これ、「おじや」の語源なんだって。

2013年1月24日木曜日

ゴミ箱の中で凍死だなんて、かわいそうだ。

老夫婦の遺体が家の前のゴミ箱で発見された。
15日から新聞が溜まっていることに、心配した近所の人が息子に連絡。
全く連絡がつかないことから息子が22日警察に届け出た。
2人は玄関から数歩の場所のゴミ箱から発見された。
夫が妻に覆いかぶさるようにして、凍っていた。
近所の人は、息子のところに行っているのだろうと思っていたが、
外傷はないこと、家が荒らされた様子ものないことから、
ゴミを出そうとして転落した妻を助けようとして夫も出られなくなったのではないかと観られている。

2013年1月22日火曜日

祝♡お友達が男の子を出産

21:19 3150gの男の子生まれました!(*´∀`)
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2013年1月21日月曜日

カレイと大根の煮物

カレイを大根と煮ました。大根を味見して、味が濃かったのでしまったと思いましたが、魚の方は芯まで煮過ぎてなくて程良かった。
昨日の帰りに買えた大根、一本97円。カレイ二切れ、224円。
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2013年1月10日木曜日

草花の蜜を吸えない世代

スイス料理店のマスターが、飼育しているハーブ園で加山雄三さんに、蜜の吸える花を差し出した。この時、加山雄三さんは遠慮した。と言うよりも、躊躇したと言った方が相応しいように身を引いた。加山雄三さんの世代だったら、むしろ、懐かしいですねぇ、昔は、子どもたちは千切って吸って花を荒らすからって叱られたものですよ。というのが台本だったら書くところだろう。あぁ、加山雄三さんていいとこの坊ちゃん育ちだったんだなぁ、そう感じた。

人の手で育てられれし朝市の、野菜の土の香りよ

人の手に
育てられ並びし
朝市の野菜の 土の香りよ

2013年1月5日土曜日

真に普遍的で国際的なものは民族的なものである

新春、1日に生中継されたウィーン・フィルのニュー・イヤー・コンサート。5日の午後3時5分から総合テレビジョンで、120分に編集されて放送された。
演奏会の合間の説明は時間内に収めるためにカットされた部分もあった。
それはまぁ、理解できるところだ。さて、演奏会のサウンドが印象が違った。それはデジタル音源と、アナログレコードを聞き比べた時に似ている。
生中継された当日の音は、各楽器の音色がくっきりとしていて、ウェルザー=メストの音楽づくりに魅了されたしエネルギーがある。エネルギー感はそのままに、再放送された音はレコードで聴くウィーン・フィルの響きだ。整音された音で、どことなく事前に録音された音に合わせて楽団員が弾いているふりをしているようだった。
SACDを聴いて感じる印象は、目の前で演奏されているようだ、と言うのは誇張として。慣例表現では「目の前で演奏されているようだ」。スピーカーを正面にして、目前で演奏されているように感じるってことはまずない。寸前か、前日に録音されたまんまのプレイバックを聴いた時と同じ。生中継された音はそういう印象。再放送の音はアナログレコードのように、過日録音され整音された落ち着きがあった。これは高音質のデジタル音源を聴いていて感じる音に似ている。

灯油 18リッター、1790円也

夕方用事で出かけた。途中で油屋さんの歌が聞こえていた。先週は7時、8時だったのに今日は早い。いつもの時間だ。それとも一旦遠回りして戻ってくるのか、いずれにしろスレ違いになったら仕方がない。
と用事を済ませて家の近く。大きく油屋さんの歌が聞こえる。間に合うか。
誰か途中で引き止めていてって願った。
玄関を開けて荷物を下ろしたところで、近くに油屋さんの車が来た。セーフだ。
灯油はまだ残っていたけど、頼んだ。
15リッターで、1,490円だった。年末から140円の値上がり。このところ日中はお天気だ。寒がぶり返さないといいんだけど。

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2013年1月1日火曜日

新定番誕生

今年のウィーン・フィルのニュー・イヤー・コンサート。
11曲が初登場となる。今後、ウェルザー=メストの登場はもっと続くことだろうから、名曲をどう演奏するのだろうではなくて、埋もれている曲の発掘が増えるだろう。
と同時に俗曲と言われる演奏もリフレッシュすると思う。
スッペの軽騎兵序曲 ウェルザー=メストの今回の演奏は、今後の名曲集には定番になるだろう。 http://amzn.to/VtnjR0

ニュー・イヤー・コンサートを楽しみましょう

njk_2013_programm_en.pdf Download this file

ウィーン・フィルのニュー・イヤー・コンサート。
今年はウェルザー=メストが再び指揮台に立ちます。この20年ほどは毎年指揮者が変わることでウィーン・フィルの楽しみ方も広まりました。わたしにとってべルリン・フィルとの違いをしっかり把握できる機会になりました。ここらでじっくり、ウェルザー=メストの指揮で定着してもいい頃合いではないかしら。
今年はワーグナー、ヴェルディの2人が生誕200年。オペラ王と言われる2人の作曲家はオペラ座のオーケストラでもある、ウィーン・フィルにとってはオーケストラ作曲家より親しい作曲家ではないでしょうか。新年の音楽会ということもあるので、オペラ座での『ローエングリン』や『ドン・カルロ』とは味わいの異なる音楽を聞かせてくれることにわくわくしています。
皆さん、ニュー・イヤー・コンサートを楽しみましょう。

New Year's Concert 2013
Conductor: Franz Welser-Möst

Program
(第1部)
Josef Strauss: The Soubrette, Fast Polka, op. 109
Johann Strauss, Jr.: Kiss Waltz, op. 400
Josef Strauss: Theater Quadrille, op. 213
Johann Strauss, Jr.: From the Mountains, Waltz, op. 292
Franz von Suppé: Overture to the Operetta "Light Cavalry"
 
 (第2部)
Josef Strauss: Music of the Spheres, Waltz, op. 235
Josef Strauss: The Spinstress, Polka française, op. 192
Richard Wagner: Prelude to Act III of the Romantic Opera "Lohengrin", WWV 75
Joseph Hellmesberger, Jr.: In Confidence, Polka mazur, op. 15
Josef Strauss: Hesperus’ Paths, Waltz, op. 279
Josef Strauss: The Runners, Fast Polka, op. 237
Joseph Lanner: Styrian Dances, op. 165
Johann Strauss, Jr.: Melodies Quadrille, op.112
Giuseppe Verdi: Prestissimo from the Ballet Music in Act III of the Opera "Don Carlo"
Johann Strauss, Jr.: Where the Lemon Trees Bloom, Waltz, op. 364
Johann Strauss, Sr.: Memories of Ernst or The Carnival of Venice, Fantasy, op. 126

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ニュー・イヤー・コンサートを楽しみましょう

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ウィーン・フィルのニュー・イヤー・コンサート。
今年はウェルザー=メストが再び指揮台に立ちます。この20年ほどは毎年指揮者が変わることでウィーン・フィルの楽しみ方も広まりました。わたしにとってべルリン・フィルとの違いをしっかり把握できる機会になりました。ここらでじっくり、ウェルザー=メストの指揮で定着してもいい頃合いではないかしら。
今年はワーグナー、ヴェルディの2人が生誕200年。オペラ王と言われる2人の作曲家はオペラ座のオーケストラでもある、ウィーン・フィルにとってはオーケストラ作曲家より親しい作曲家ではないでしょうか。新年の音楽会ということもあるので、オペラ座での『ローエングリン』や『ドン・カルロ』とは味わいの異なる音楽を聞かせてくれることにわくわくしています。
皆さん、ニュー・イヤー・コンサートを楽しみましょう。

New Year's Concert 2013
Conductor: Franz Welser-Möst

Program
(第1部)
Josef Strauss: The Soubrette, Fast Polka, op. 109
Johann Strauss, Jr.: Kiss Waltz, op. 400
Josef Strauss: Theater Quadrille, op. 213
Johann Strauss, Jr.: From the Mountains, Waltz, op. 292
Franz von Suppé: Overture to the Operetta "Light Cavalry"
 
 (第2部)
Josef Strauss: Music of the Spheres, Waltz, op. 235
Josef Strauss: The Spinstress, Polka française, op. 192
Richard Wagner: Prelude to Act III of the Romantic Opera "Lohengrin", WWV 75
Joseph Hellmesberger, Jr.: In Confidence, Polka mazur, op. 15
Josef Strauss: Hesperus’ Paths, Waltz, op. 279
Josef Strauss: The Runners, Fast Polka, op. 237
Joseph Lanner: Styrian Dances, op. 165
Johann Strauss, Jr.: Melodies Quadrille, op.112
Giuseppe Verdi: Prestissimo from the Ballet Music in Act III of the Opera "Don Carlo"
Johann Strauss, Jr.: Where the Lemon Trees Bloom, Waltz, op. 364
Johann Strauss, Sr.: Memories of Ernst or The Carnival of Venice, Fantasy, op. 126

2012年12月29日土曜日

お前一人の考えでしでかしたことじゃないはずだ

誰にもそれぞれの方法がある。
それは誰にも変えられぬ。
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畏れを知らない野生児は、自ら大蛇の居る洞窟に訪れたが大蛇の守る宝、出生を知っているだろうと小人から聞いている。森の中で仲良くなった小鳥は、戯れながら洞窟のそばまで導いている。
ファフナーが断末魔で問い返しているように、道程は違うとも定められた歴史が待っている。

ノートゥング!魔法の剣よ

刀を鍛えるセオリーをきちんと学んでいないジークフリート。
折れた剣を継ぐために、この世で一番の鍛冶屋であるミーメは苦心してできなかった。
ところがジークフリートは伝統や技法を無視、折れた剣を粉々に砕いて炉にくべた。
トネリコの灰を投げ込み、一から生み出す。大人たちは、現在あるものを保存した上で、そこに更に築こうとするものだけど、若者には時間がある。
無駄だといわれようと、その過程が新たな生産となる。
Siegfried-cassiers1

変身マント、きき耳ずきん、不死身の身体。そして魔法の指環を手に入れた。

音楽の出来としては、第二幕の半ばでワーグナーが作曲を五年間、放置したままにしていたこともあって統一感はない。
登場人物も、男ばかりで華やかさがない。
大蛇退治とか、その後、小鳥の囁きで旅にでるとか、眠り姫を目覚めさせるという筋立ては子供っぽい。
指環全体の本筋が見えていないと確かに『苦痛』だろう。
Siegfried_045_rinnat_moriah_wa

変身マント、きき耳ずきん、不死身の身体。そして魔法の指環を手に入れた。

音楽の出来としては、第二幕の半ばでワーグナーが作曲を五年間、放置したままにしていたこともあって統一感はない。
登場人物も、男ばかりで華やかさがない。
大蛇退治とか、その後、小鳥の囁きで旅にでるとか、眠り姫を目覚めさせるという筋立ては子供っぽい。
指環全体の本筋が見えていないと確かに『苦痛』だろう。
Siegfried_045_rinnat_moriah_wa

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2012年12月28日金曜日

おっさん!そこどけよぅ ぶっとばされてぇんかぁ

おっさん どけよ、どかねぇと ぶん殴るぞ
Siegfried7

と言っているシーン。オペラなので、対訳では上品な言い回しになっていることだろうが、ひねた小人に育てられた野生児だ。上流階級の言葉ではないだろう。

連夜放送中のスカラ座のオペラ。今夜は一番楽しみだった『ジークフリート』だ。
とかく『リング』の中でも
”よほどの「指環マニア」でもない限り、かなりの苦痛を伴うものと察する。”
と言われる。しかし、わたしの一番好きなオペラ。ワーグナーの中でと言うでなし、オペラ全体の中で好きな作品を指折れと言われたら、まず最初にこれを上げる。
どうして、と尋ねられたら、それを説明するだけで数夜要することになるかもしれない。
ワーグナーのオペラ全曲盤で、最初に買った。あるいは買えたといえるのかもしれないが、レコード店の片隅に売れ残っていたボックス。これくださいと指さした時、店長さんが『へぇ』という顔をしながらホコリを落とした。
地味かもしれないし、問答のようなシーンがパズルのようになっている。その幾何学的な構造が面白くもあった。
何より、父親の槍を自分が鍛えた剣で打ち破る第3幕は、多くのオペラに内包している家族、親子、男女の絆の核心ではないかと思います。

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おっさん!そこどけよぅ ぶっとばされてぇんかぁ

おっさん どけよ、どかねぇと ぶん殴るぞ
Siegfried7

と言っているシーン。オペラなので、対訳では上品な言い回しになっていることだろうが、ひねた小人に育てられた野生児だ。上流階級の言葉ではないだろう。

連夜放送中のスカラ座のオペラ。今夜は一番楽しみだった『ジークフリート』だ。
とかく『リング』の中でも
”よほどの「指環マニア」でもない限り、かなりの苦痛を伴うものと察する。”
と言われる。しかし、わたしの一番好きなオペラ。ワーグナーの中でと言うでなし、オペラ全体の中で好きな作品を指折れと言われたら、まず最初にこれを上げる。
どうして、と尋ねられたら、それを説明するだけで数夜要することになるかもしれない。
ワーグナーのオペラ全曲盤で、最初に買った。あるいは買えたといえるのかもしれないが、レコード店の片隅に売れ残っていたボックス。これくださいと指さした時、店長さんが『へぇ』という顔をしながらホコリを落とした。
地味かもしれないし、問答のようなシーンがパズルのようになっている。その幾何学的な構造が面白くもあった。
何より、父親の槍を自分が鍛えた剣で打ち破る第3幕は、多くのオペラに内包している家族、親子、男女の絆の核心ではないかと思います。

ジークフリート!

森の中で、宝を守る大蛇が、洞窟に隠れて、ジークフリートが訪れるのを待っている。

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2012年12月25日火曜日

メリー・クリスマス。

Coldplayからクリスマスメールが届いた。
日本は、土曜、日曜、月曜日と三連休となり、天皇誕生日よりもクリスマス・イヴの休日みたいなムードで、ケーキを食べたからもうクリスマスはおしまいなのだろう。明日からはもう、町中でクリスマスソングを聽くことは無くなって、お正月商戦が始まる。

欧米ではこれからウィンター・バケーションが始まる。
クリスマスチューンはまだまだ聴かれるし、挨拶も届くのだろう。
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2012年12月1日土曜日

浦壁信二ピアノ・リサイタル オール・ラヴェル・プログラム in 熊本市健軍文化ホール

スクリャービン、ストラヴィンスキーときて、ラヴェルで臨む。浦壁信二さんのキャリアは長い。ストラヴィンスキーは2003年。スクリャービンは1996年2月というのだから、実績で築きあげてきたキャリアといえる。そんなことは知らないから、写真を見て若いと感じた。1969年10月生まれ、42歳になったばかりだ。それは遅咲きとかというものではない。フルトヴェングラーの最も偉大な『バイロイトの第九』の裏で画策された主役の時代が移りゆく時のカラヤンが、その時43歳だった。
戦後復活された最初のバイロイト音楽祭の開幕を飾った「バイロイトの第九」は誰もが知っている名演盤だけど、もしかしたらレコードにクレジットされる指揮者の名前はフルトヴェングラーではなくて、カラヤンである可能性がある。この記念すべき戦後第一回のバイロイト音楽祭の主役は、紛れもなく43歳のカラヤンだった。フルトヴェングラーは『栄光』という花道を譲られた・・・と、この話は別項で続けるとして、浦壁信二さんのストラヴィンスキーは耳にしているかもしれない。名前の文字面だけはどこか記憶の端に映像がある。水の戯れで鏡に裏文字が海原の小舟のように揺れただけかもしれない。確かなことだとは言えません。
でも、可能性はあるもののちょうどその自分にストラヴィンスキーの室内楽曲に夢中だったこともあった。
浦壁信二さんは、中学生の時にロストロポーヴィチが指揮するワシントン・ナショナル交響楽団と共演。自作曲も披露したというのだから、鼻っ柱は高かっただろう。その後の栄光でも、20世紀のピアノ音楽で賞を獲得していく。そこにはどこかしか、向こう気の強さも感じられる。しかしそれがある意味荒波に磨かれる結果になったのだろう、とは成果はずっと先に出るはずだ。今回、新しくリリースされたアルバムは『ラヴェル:ピアノ・ワークス第1集』とある。となれば腰を据えてラヴェルを演奏して行かれる表明だと受け止めた。
作曲家の道は早いうちに放棄して、10本の指で豊かな響きを生み出すピアノの虜になったというのだから、これからラヴェルの音楽でどう聴かせてくれるか楽しみです。
今日、11月30日。これから熊本市健軍文化ホールでピアノ・リサイタルが行われます。ここには熊本市内でも益城文化会館と並ぶ、自慢のピアノがあります。ただし、商店街のアーケードを抜けた先にあるコンサートホールであることもあってか、日頃はピアノの発表会に使われているぐらいの残念さがある。ホールとしてのキャパシティも、300人から400人といったピアノの演奏に耳を傾けるのに程よし。ホールに音が響きと言うよりも、サロンで耳を傾けるような距離感で音がある。演奏者の呼吸も感じられるほどだし、客席の呼吸もステージで感じられるんじゃないかと思っている。超贅沢なオーディオ装置で聞いているように錯覚するほどです。

浦壁信二ピアノ・リサイタル

演奏プログラムは、ラヴェルの音楽の移り変わりを俯瞰するような有名曲ばかり。
プログラム
  1. グロテスクなセレナード
  2. 亡き王女の為のパヴァーヌ
  3. 水の戯れ
  4. シャブリエ風に
  5. ボロディン風に
  6. ソナチネ
    1. 悲しい鳥たち
    2. 海原の小舟
    3. 道化師の朝の歌
    4. 鐘の谷
  7. ラ・ヴァルス
 
意表をつくアンコール曲
東京で今年の4月に行われたプログラムを、そのまま持ってきてくださいました。それと同時にリリースされ、レコード芸術特選盤に選ばれた『水の戯れ〜ラヴェル:ピアノ作品全集1』で聴ける曲がまるごと。CDの方はプロモーション効果のある曲順になってましたが、リサイタルはラヴェルのピアノ曲の『進化』を俯瞰する発表順。秀作から、磨き上げられ一部の隙のない『ラ・ヴァルス』で華やかに、感動的に締めくくられた。
特に『ラ・ヴァルス』の前にプログラミングされた『鏡』は、第3曲の『海原の小舟』の中ほどで、聴いていて息が詰まった。終曲の『鐘の谷』では、金縛りにあったようでゾクッとする久々の音楽の魔性に触れてしまったようです。前半のサロンムードに満ちたプログラムと、ヴィルトゥオーゾ溢れる『ラ・ヴァルス』はコントラストよろしく、無難な流れかとプログラミングだけでは感じて聴き始めたリサイタル。それがそれがよく寝られた構成だったと、稀なものでした。プログラムだけだったら、誰にでもそれなりの演奏会にはなるでしょう。しかし、胸ぐらをつかまれ注ぎ方次にと音楽が流し込まされるようなことは起こらないでしょう。ただただ時間が流れていくだけでしょう。 ラヴェルの余韻を楽しませるアンコールは何か、期待を裏切られることはなかった。しかし、それは意表をつく3曲でした。
  1. クープラン作曲 神秘のバリケード
  2. ラモー作曲 鳥のさえずり
  3. シャブリエ作曲 アルバムの一ページ
『ラヴェルと縁のあるフランス・バロックと、シャブリエの原曲を選びました。』
と、浦壁信二さんから説明がありましたが、 ラヴェルには『クープランの墓』があるし、『鏡』の第2曲「悲しい鳥」はラモー、ダカンの『カッコウ』がラヴェルの脳裏に無かったとは思えない。そして何よりも、健軍文化ホールのスタインウェイがホールに満ちるほど良い余韻。泡切れの良いビールのように、微細な音でも反応が速い。ホールとピアノが一体になっている素晴らしさは、聴いていて心地良いのですから演奏する人はレスポンスの良さは爽快でしょう。優れたピアニストであるほどに安定感のある、遊びのない響きになる。充実したハイエンド・オーディオを聴く喜びにも似ています。
アンコールの3曲は、前々から用意されていたものか熊本市健軍文化ホールを下見されていたのかは定かではありませんが、多くのピアニストがこれらがどう響くのか、遊び心をくすぐるんじゃないかしら。
チェンバロで演奏された、「神秘のバリケード」と「鳥のさえずり」は中野振一郎さんのチェンバロ演奏が今夜の演奏を思い出しながら聞き比べるのにふさわしい。会場の様子からは馴染みが薄いのか、新鮮に楽しんでいるようでした。
今夜のコンサートで『アルバムの1ページ』と紹介されたのは、『5曲の遺作』の第2曲。『アルバムの1葉』とか、『アルバムの綴り』、『音楽帳の1ページ』とも呼ばれます。フランスの作曲家ですがスペインの情緒を感じる曲を遺し、フランス・ピアノ音楽の新しい世界を開きました。ラヴェル、ドビュッシーの書く音楽にはかけがえの無い存在。

Posted via email from Chopin Pianism