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2011年7月31日日曜日

わたしの『涼しく感じるクラシック』は《森のささやき》 - NHK-FMクラシック・リクエストでは、あなたの『涼しく感じるクラシック』を募集中です。

涼しく感じるクラシックとしては川や海、或いは高原を感じさせる楽曲をまず思い描きます。ダンディの《フランス山人の歌による交響曲》は、お洒落な交響曲(?)で中学生の時に出逢ってからは夏になると良く聞き返していました。夏山と言えばリヒャルト・シュトラウスの《アルプス交響曲》も聞き終えたあとで涼しく感じます。登山の途中で滝に見惚れたり、山頂に立った気持ちよさを味わう間もなく雷と激しい雨で下山を急ぐ。宿に帰り着いた時はびしょ濡れだ。

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純器楽曲となればシューベルトの《ます》や、シューマンの《ライン》でしょう。ヴォーン=ウィリアムズには《南極交響曲》なんて猛吹雪が出てくるスペクタキュラーな大曲があるけれども、ライン川から覗き込むキラキラとした水面と緑の木々を感じさせる"川"が主役のクラシック曲の方が涼しさを感じます。

このライン川のそこには三人の人魚の姉妹が住んでいます。ラインの乙女たちと呼ばれている彼女たちは、ある夏の終わりに一人の勇ましい青年に会いました。欲しかったのは青年が指にはめている愛する人から、けして誰に渡してもいけませんと言い聞かされた指環。この輝く黄金の指環はライン川に眠る黄金から削り出されたもので、"愛を得るものには破滅が訪れる"という呪が掛けられていたのです。ラインの乙女たちはそれを青年に上手に説明することが出来ないで、勇ましい青年は綺麗なものを欲しがって群がってきたのだろうと相手にしませんでした。

仕方在りません。このラインの乙女たちは深いライン川の底で3姉妹だけとしか意思疎通をしたことがなかったのですから。毎日歌を歌って楽しく暮らしていた"マイ・ルール"の乙女たちにとって、地上の青年とどう接して良いのか考えたこともありませんでした。

結局青年は、唯一の弱点である背中の1点を槍で射貫かれて絶命してしまいます。勇ましい青年の名前はジークフリート。

夏季限定と言う事は無いけれども、作曲家が夏の間だけ上演されることを想定して書き上げた上演に4日かかる連作オペラ。舞台祝典劇《ニーベルングの指環》はライン川の底から黄金が削り出されて、指環が出来る過程を描いた《ラインの黄金》。指環は何処へ行ったのか!?神々は地上を探し回ります。ジークフリートの母親を騒然とした世界から守り抜いたブリュンヒルデが、命令違反で火の山に封じられるまでをスペクタクルに描いた《ワルキューレ》。そしてジークフリートの幼少期から青年になるまでの冒険記さながらの《ジークフリート》。そして、手に入れた指環と名馬"グラーネ"と共に旅に出て志し半ばで亡くなってしまいます。これはやがて《神々のたそがれ》を招くのでした。これら4つのオペラは"春夏秋冬"を象徴しているようにも思います。

《ジークフリート》での"森のささやき"。《神々のたそがれ》でジークフリートに指環を頂戴なと言い寄るラインの乙女たちとの会話シーンは涼しさを感じます。

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『お前たち、水の中でそうしていないでここまで取りに来いよ』とジークフリートは、陸へ上がってくるように誘いますが人魚には叶わぬ事です。

Posted via email from Ohisama

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